2025.11.09 不動産売却のコツ

階段の上にある「ひな壇の土地」は売却できる？売れやすくする最新対策を解説

はじめに

こんにちは。
エステートプランです。

北九州市や福岡市には、傾斜地を階段状に造成した「ひな壇の土地（段差地）」が多く見られます。
眺望が良く日当たりも確保しやすい一方で、売却時には思うように買い手がつかないケースも少なくありません。

この記事では、ひな壇の土地が売れにくい理由と有効な売却対策について詳しくご紹介します。
所有地の活用や売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ひな壇の土地とは、傾斜地を「階段状」に造成して宅地化した土地のことをいいます。
造成の際には、盛土（もりど）や切土（きりど）を行い、高低差を設けて造成します。

メリット
• 隣家との間に高低差があるためプライバシーが守られやすい
• 日当たり・風通しが良い
• 上段の土地では眺望を楽しめる

デメリット
• 階段や坂道が多く、移動が大変
• 土砂災害のリスク
• 擁壁（ようへき）の点検・補修に費用がかかる
• 下段の土地では日当たりが悪い場合がある

なお、擁壁とは高低差によって地盤が崩れないよう支えるコンクリート構造物のことです。
経年劣化すると安全性に影響するため、定期的な点検や補修が必要になります。

利便性の高い地域であれば傾斜地でも売却できる例はあります。
しかし、一般的には以下のような理由から「売れにくい」といわれます。

階段や坂道を上り下りする必要があり、高齢者や小さな子どもがいる家庭では生活動線に負担を感じやすくなります。

古い擁壁は**安全基準（令和4年国交省改訂「宅地造成等規制法」）**を満たしていない場合があります。
補修内容によっては数百万円規模になることもあり、買主が購入をためらう要因になります。

盛土造成地は、地震や豪雨時に崩落・地盤沈下・液状化などが起きやすいとされています。
特に福岡県内では、令和5年・6年の大雨による土砂災害警戒区域が拡大しており、
ハザードマップでの確認が重要です。

ひな壇地の建物は重機の搬入が難しく、解体費やリフォーム費用が平地より高額になります。
再建築不可（道路接道条件を満たさない）に該当する土地もあり、事前調査が不可欠です。

「売れにくい」とされるひな壇の土地でも、以下のような対策を行うことで売却しやすくなります。

近年は購入者が「安全性」を重視する傾向にあります。
そのため、擁壁の点検報告書や地盤調査結果を提示できる状態にしておくと信頼度が高まります。

福岡市・北九州市では、擁壁の補修や耐震改修工事に対して自治体補助金制度が用意されています。
（例：福岡市「擁壁等災害対策事業補助金」、北九州市「がけ地近接等危険住宅移転事業」など）
まずは市の建築指導課に相談してみましょう。

敷地周辺に手すりを設けたり、スロープを追加することで安全性が高まり、高齢層・子育て世代にも訴求しやすくなります。
自治体によっては、バリアフリー改修費の一部を助成する制度もあります。

日当たりが悪い土地でも、「夏場は涼しく過ごせる」「価格が抑えられている」など、
条件をポジティブに捉えることも有効です。
実際、近年は“価格重視でリノベ前提で購入”する層が増えています。

建物が古く再利用が難しい場合は、更地にして売却するのも一つの方法です。
新築を希望する買主にとっては工事計画を立てやすく、買い手が付きやすくなります。

また、再建築不可の場合でも、月極駐車場や資材置き場としての活用が可能です。
福岡圏ではこうした「収益化を前提とした土地買取」も増えています。

「時間をかけずに売りたい」「買い手を探すのが難しい」という場合は、
不動産会社による直接買取を検討しましょう。
相場より価格は下がりますが、短期間で現金化でき、契約トラブルのリスクも低くなります。

項目	内容
ひな壇の土地の特徴	傾斜地を階段状に造成した土地。日当たりや眺望の良さが魅力。
売れにくい理由	移動が大変、擁壁維持費、災害リスク、建替え制限など。
売却を成功させるポイント	擁壁の診断・補修、地盤調査、安全性の証明、用途変更、買取活用など。

北九州市・福岡市では、地形条件のある土地の売却相談が増えています。
擁壁や造成地の安全性診断、補助金を活用した売却サポートなど、当社では最新の制度に基づいてご提案しています。

エステートプランでは、北九州・筑豊・京築・福岡エリアでの不動産に関する無料相談を提供しています。売却、処分、住み替え、税金に関することなど、不動産に関するどんなご相談でもお気軽にご連絡ください。