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不動産売却の知恵袋

不動産の手続き

外国人との不動産売買契約に必要な手続きと注意点【その1】

はじめに

こんにちは!エステートプランです。

日本では、外国籍の方にも不動産を売却することができ、実際に日本の不動産を購入する外国人の方も少なくありません。
福岡市・北九州市でも、外国人の方との取引は今後さらに増えていくと考えられます。

今回は全3回のシリーズで、外国人に不動産を売却する際の手続きと注意点を解説します。第1回では、購入に必要な書類と契約時のポイントをご紹介します。

外国人が日本で不動産を購入する際の基本的な手続き

不動産売買の手続きは、買主が日本人かどうかにかかわらず、基本的な流れは変わりません。まずは、登記の仕組みと必要書類の全体像を確認しましょう。

日本には、不動産の所有者などを公的に示す不動産登記制度があり、売買が行われた際には所有権移転登記を行います。
所有権移転登記では、買主の住所を証明する書類(住民票など)が必要になります。司法書士に登記申請を依頼する場合は、委任状も必要です。買主が住宅ローンを利用して抵当権を設定する場合などは、印鑑登録証明書が必要になることもあります。
ただし、必要な書類は買主の住所や居住状況などによって異なります。外国人の方の場合、住民票や印鑑登録証明書を取得できないこともあるため、事前に司法書士へ確認しておくことが大切です。

また、2024年(令和6年)4月1日以降、海外在住の方が新たに所有権の登記名義人となる場合は、国内連絡先に関する事項が必要となります。さらに、外国人の方が新たに所有権の登記名義人となる場合は、原則としてローマ字氏名とその証明情報も必要です。国内に連絡先となる方がいない場合の取扱いも定められているため、事前に司法書士へ確認しておきましょう。
書類の取得に時間や手間がかかることもあるため、外国人の方に売却する際は、商談の早い段階で必要書類の確認と準備を始めることをおすすめします。

契約内容を理解してもらうための言語面の配慮

外国人の買主であっても、日本国内での不動産売買は、原則として日本の法律に基づいて進められます。ここでは、言語面で押さえておきたいポイントをご説明します。契約書や重要事項説明書は、日本語で作成されたものを使用するのが一般的です。日本語を理解できない買主の場合は、通訳を介して説明するなど、契約内容を十分に理解してもらうための対応が重要です。通訳者の手配については、買主側に依頼する方法もあります。誰が手配するかを事前に決め、契約内容を正確に伝えられる通訳者を確保することが大切です。通訳者には、買主の母国語に翻訳して説明してもらうだけでなく、日本と買主の居住国などの不動産制度の違いにも配慮してもらうと、買主が契約内容を理解しやすくなります。

また、万が一のトラブルに備えて、契約書には、日本国内の特定の裁判所を専属的合意管轄裁判所として定めておくことも検討するとよいでしょう。

住民票・印鑑登録証明書を取得できる外国人の場合

住民票は、日本国内に住所があり、住民基本台帳制度の対象となる外国人の方が取得できます。主な対象者は、次のとおりです。

中長期在留者(在留カード交付対象者)

3か月を超える在留期間が決定された方です。ただし、短期滞在・外交・公用の在留資格の方は除きます。

特別永住者

特別永住者証明書の交付を受けた方です。

一時庇護許可者・仮滞在許可者

一定の要件を満たし、一時庇護許可書または仮滞在許可書が交付された方です。

出生による経過滞在者・国籍喪失による経過滞在者

出生または日本国籍の喪失により、日本に在留することとなった外国人の方です。これらに該当し、日本国内に住所がある方は、所定の手続きを行うことで住民票を取得できます。また、自治体の規定に従って印鑑登録を行えば、印鑑登録証明書も取得できます。印鑑登録を希望する場合は、登録できる印鑑の条件などを事前に市区町村の窓口で確認しておきましょう。

なお、住民票を取得できることと、印鑑登録証明書を取得できることは別です。印鑑登録の可否や必要な手続きは、自治体の規定などによって異なります。

住民票・印鑑登録証明書を取得できない外国人の場合

在留期間が3か月未満の方や、海外にお住まいの外国人の方などは、住民票や印鑑登録証明書を取得できない場合があります。この場合は、住所や本人の署名などを証明する書類を利用して手続きを進めます。

住民票に代わる書類

住民票に代わる住所証明情報として、外国の政府機関が発行する住所証明書や、住所などを記載した宣誓供述書などを利用できる場合があります。
宣誓供述書とは、本人の住所や氏名などを記載し、その内容が事実であることを、公証人などに認証してもらった書類です。国や地域によっては、日本の住民登録に近い制度があったり、住所を証明する公的書類が発行されていたりするため、利用できる書類は買主の居住国などによって異なります。どの書類が必要になるか、事前に司法書士へ確認しておきましょう。

印鑑登録証明書に代わる書類

印鑑登録証明書を取得できない場合は、本人の署名証明書など、代わりとなる書類を利用できることがあります。

例えば、本人の本国の官憲が作成した署名証明書や、一定の条件を満たす外国の公証人が作成した署名証明書などが利用できる場合があります。ただし、必要な書類や認証方法は、買主の居住国や登記手続きの内容によって異なります。事前に司法書士へ確認し、必要な書類を準備しておきましょう。

次回の【その2】では、外国人に不動産を売却する際の具体的な注意点について解説します。引き続きご覧ください。

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