雑種地を相続したときに知っておきたい基本知識

はじめに

こんにちは、エステートプランです！

土地を相続した際には、登記簿や固定資産税の納税通知書に記載されている「地目」によって、相続税の評価方法やその後の土地の活用方法が異なります。
相続した土地は宅地でしょうか。それとも、畑や田んぼなどの農地でしょうか。あるいは、どれにも該当しない「雑種地」の可能性もあります。
本記事では、雑種地を相続した場合に知っておきたい基本的な知識について解説します。

雑種地とは

雑種地とは、土地の用途（地目）のいずれにも該当しない土地のことを指します。
土地は通常、宅地、田、畑、山林、牧場など、全部で22種類の地目に分類されていますが、そのいずれにも当てはまらない場合、「雑種地」として扱われます。
たとえば、青空駐車場、住宅地に隣接していないゴルフ場やテニスコート、資材置き場などが代表的な例です。
日常生活の中ではあまり見かけないため、一般にはあまり馴染みがないかもしれませんが、競馬場の敷地や変電所の用地なども雑種地に分類されます。
相続財産として登場する機会は少ないものの、知っておくことで不動産に対する理解がより深まる土地の種類です。

相続した土地の地目が不明な場合、最初に確認すべきこと

相続税の評価は「現在の土地の使われ方」に基づいて行われるため、相続した土地が明らかに宅地である場合は、必ずしも現地調査を行う必要はありません。
しかし、「これは一体どんな土地なのだろう？」と少しでも疑問を感じた場合は、以下の方法で地目を確認することをおすすめします。

実は、相続税申告における「地目」とは、登記簿に記載されている内容が必ずしも正しいとは限りません。
あくまでも、被相続人が亡くなった時点での“現況”を基に判断され、実際にその土地がどのように使われているかが評価の基準となります。
たとえば、登記上は「宅地」となっていても、現地調査の結果「雑種地」として評価されるケースもあります。
そのため、登記情報だけに頼らず、現地の状況をしっかり確認することが重要です。

1：土地を直接確認する

土地の所在地が近くであれば、まず現地の状況を自分の目で確かめることが最も確実です。
専門家に調査を依頼することで、土地の種類をより正確に把握できるでしょう。
たとえ「宅地」と聞いていても、実際に訪れてみると全く異なる状況であることもあり、その場合は相続税の評価に影響が出る可能性があります。

2：固定資産税納税通知書で確認する

土地が遠方にある場合、現地へ足を運ぶのが難しいことも少なくありません。そんなときは、固定資産税納税通知書を利用して調べることが可能です。
特に注目すべきは「固定資産税の課税地目」という欄で、そこに記載されている名称をもとに土地の種類を判断します。

雑種地の評価方法

現地調査を行い、相続した土地が雑種地であることが確認できたら、次に気になるのはその評価方法です。
雑種地の評価は、その土地が市街化区域にあるか、市街化調整区域にあるかによって異なります。
簡単に説明すると、市街化区域とは都市の発展を積極的に進めている地域で、建物の建築に対する制限が比較的緩やかな区域です。
一方、市街化調整区域は都市開発に際し建築制限が設けられている区域を指します。

市街化区域における雑種地の評価方法

市街化区域内にある雑種地は、基本的に宅地として評価されます。しかし、雑種地の所在する区域によって評価方法が異なるため、その基準は複雑です。
そのため、類似する雑種地の評価を参考にし、評価対象の土地の形状や状況を考慮して価値を算出する方法が一般的に用いられています。
また、市街化区域内で路線価が設定されている地域では、その路線価を基に評価額を算出し、路線価が設定されていない地域では固定資産税評価額を用いて評価を行います。

市街化調整区域における評価方法

市街化調整区域は農地や山林が多いため、類似する雑種地が少ない場合があります。そのため、他の地目で形状が似ている土地を参考にして評価を行います。
評価は、周辺の土地の固定資産税評価額に倍率を乗じて算出しますが、周辺の土地が宅地の場合には「しんしゃく割合」を考慮する必要があります。
「しんしゃく割合」は専門的な知識が必要なため、判断に迷う場合は税理士に相談することをおすすめします。

専門家に相談をしましょう

計算方法の複雑さや地目の詳細な調査など、雑種地の相続手続きは一人で進めるのが難しい場合が多いです。可能であれば、早い段階で専門家に相談・依頼することが、問題の迅速な解決につながります。
確かに費用はかかりますが、専門家でなければ対応が難しい評価方法もあるため、十分に検討することをおすすめします。

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