高齢の親名義の家を売却するには~代理人と成年後見制度の違いと注意点~前編
はじめに
こんにちは、エステートプランです!
親が高齢になり施設に入居するようになると、空き家になってしまう実家を売却したいと考える方は少なくありません。しかし原則として、親の同意だけでは、子どもが親名義の不動産を本人に代わって売却手続きを進めることはできません。
子どもが親の家を売却するには、「親の代理人になる」「成年後見制度を利用する」という2つの方法があります。前編では「親の代理人になる」方法について詳しく解説します。

親の代理人として売却する方法
不動産の売却は、原則として名義人本人が行う必要があります。実の親子であっても、子どもが親の不動産を自由に売却することはできません。
ただし、年齢や健康上の理由で名義人である親自身が売却手続きを行えないケースもあります。そのような場合、子どもが親の「代理人」となることで、親に代わって売却を進めることが可能です。
民法における「代理」とは
民法における「代理」とは、本人に代わって代理人が契約などの手続きを行う仕組みのことです。代理人が行った契約は名義人本人が行ったものと同じように扱われるため、子が親の代理人となって売却手続きを進めた場合でも、売主はあくまで親になります。
子どもが代理人となれば、親に代わって不動産売却の手続きを進めることができます。ただし、売買契約はあくまで「親と買主の間」で成立するものであり、売却によって得たお金も親の財産です。
代理人である子どもが自由に使えるものではないことを、あらかじめ理解しておきましょう。
「使者」との違い
「代理人」と似たものに「使者」があります。使者は本人の意思を相手に伝える役割であり、本人に代わって契約などの法律行為を行う権限はありません。
不動産売却は法律行為にあたるため、子どもが親に代わって売却手続きを行う場合は「代理人」となる必要があります。

代理人になるには「委任状」が必要
口約束だけで子どもが親の代理人になることはできません。代理権を与えられていることを第三者に証明するためには、「委任状」の作成が必要です。
委任状を作成する際は、任せる権限の範囲をできるだけ具体的に記載することが大切です。
「不動産の売却を一任する」といった曖昧な内容では、売却後に「希望していた価格と違う」といった親子間のトラブルにつながる可能性があります。
委任状には、以下のような内容を記載しておきましょう。
- 売却する不動産の情報
- 売却価格や手付金の額
- 売却代金の振込先
- 価格交渉に関する権限や条件
- 委任者(親)と受任者(子)の氏名・住所
- 委任状の有効期限
委任状には法律で決められた形式はなく、自分で作成することも可能です。ただし、不動産売却では不動産会社が用意した書式を利用するケースが一般的です。
また、委任状には実印で押印し、本人確認や印鑑の確認のため、印鑑証明書の提出を求められることが一般的です。
本人の意思確認が行われる
委任状を作成した後、不動産会社は名義人本人(親)に対して直接意思確認を行うことが一般的です。
親子であれば実印の保管場所を知っていても不自然ではなく、委任状の偽造や本人の意思に反した売却を防ぐためです。
買主や関係者が安心して取引を進めるためにも、代理人による売却では名義人本人の意思確認が重要になります。
次回後編では、親が認知症などで意思表示や委任状の作成が難しい場合に利用される「成年後見制度」について詳しく解説します。

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