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不動産売却の知恵袋

マンションについて

自主管理マンションが売れにくいと言われる理由と対策 (後編)

はじめに

こんにちは、エステートプランです!

前回のコラムでは、自主管理マンションが売れにくいと言われる背景として、「管理組合」「管理規約」「長期修繕計画」が整備されておらず、管理が行き届かないために購入希望者から敬遠されやすい点について解説しました。今回は、こうした物件を売れやすくするための具体的な対策をご紹介します。

管理組合のない自主管理マンションを売却するには

管理組合がない、または機能していないマンションは、購入希望者が敬遠しがちで、住宅ローンも利用しにくいため、売却が難しくなります。
スムーズに売却するためには、次の点を整えることが重要です。

管理組合を設立する

管理組合が存在しない、あるいは形だけで機能していない場合は、新たに設立することが第一歩です。
まず、既存の管理規約や分譲時の資料を確認し、管理者が指定されているかをチェックします。管理者がいない場合は、区分所有者総数の5分の1以上、総議決権数の5分の1以上の賛成で総会を開催し、理事を選任します。
管理組合を設立することで、マンション全体の管理運営が正式に機能し、購入希望者にとって安心材料となります。

管理規約を作成・整備する

総会の日程が決まったら、管理規約案を作成します。
管理規約はマンション内のルールや共用部分の使用方法を定めた重要書類です。1から作成するのは大変ですが、国土交通省が提供する標準管理規約の改定版[o2.1]を参考にすると効率的です。

長期修繕計画を策定する

長期修繕計画では、将来的な修繕時期や内容、費用を見通して計画を作成します。
大まかな流れは次の通りです。

  • 竣工図や設備資料の収集
  • 建物や設備の現況調査
  • 修繕内容の整理
  • 収支計画の作成
  • 修繕計画案の作成
  • 修繕積立金の徴収
  • 計画の定期見直し
  • 修繕工事の実行

作業には時間と専門知識が必要なため、必要に応じて管理会社への委託も検討すると効率的です。入居者からの管理費・修繕積立金の徴収には、全世帯への周知と理解を得ることが重要です。

相場より値下げして売却する場合もある

管理組合の設立や長期修繕計画の作成には労力がかかります。
住民の理解が得られない場合や理事がいない場合は、相場より値下げして売却することも検討しましょう。
築年数の経過や老朽化によりマンションの価値は下がります。修繕できない状態を長期間放置すると資産価値の低下が進むため、早めの判断が重要です。
ただし、自主管理マンションは住宅ローンが利用できないケースもあるため、売却前にローン利用の可否を確認しておくと安心です。

まとめ

「マンションは管理を買え」という言葉があるように、管理状態は資産価値に直結します。
自主管理マンションは、管理が十分でない場合、購入希望者がつきにくく、住宅ローンも組みにくいという現実があります。
しかし、管理組合の設立、管理規約の整備、長期修繕計画の策定など、体制を整えることで資産価値を守り、売却の可能性を高められます。また、相場より値下げする判断も、売却成功のためには有効です。

自主管理マンションを所有している方は、購入希望者の視点を理解し、必要な対策を講じて売却を目指しましょう。

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