仮住まいなしで住み替えができる「引渡し猶予」の仕組みと注意点【前編】
はじめに
こんにちは!エステートプランです。
自宅を買い替える場合、現在住んでいる家を売却しながら新しい家を購入するという、タイミングの調整が難しい場面が生じます。売買代金の決済と物件の引き渡しは同時に行うのが原則ですが、売却後すぐに新居へ移れないケースでは、買主に引き渡しをしばらく待ってもらう必要があります。この仕組みが「引渡し猶予」です。
今回は、引渡し猶予の基本的な意味と、特約を付けた場合の買い替えの手順を解説します。

引渡し猶予とは
引渡し猶予とは、売買代金の決済が完了した後も、売主が一定期間、売却した家に住み続けることができる特約です。つまり、売買代金の決済と物件の引渡しを別の日に設定することで、売主が新居へ移るまでの時間を確保できます。
契約時に、売主と買主が合意した条件を売買契約に盛り込むことで成立します。
住み替え時に引渡し猶予が必要になる主なケースは、
現在の家の売却代金で新居を購入するため、先に売却代金を受け取らないと新居の購入手続きが進められないケースや、売却と新居購入を同時進行で進めており、引っ越しまでに一定の時間が必要なケースです。
猶予期間は買主との交渉によって決まりますが、双方が合意した期間中は売却した家に住み続けることが可能です。

引渡し猶予特約を付けた場合の買い替え手順
引渡し猶予特約を利用して住み替えを進める場合、一般的な流れは以下のとおりです。
① 「引渡し猶予特約付き」で売却活動を開始する
引渡し猶予は、売主の都合で物件の引渡しを一定期間延長する特約です。代金を支払ってもすぐに物件の引き渡しを受けられないため、買主にとっては不利な条件となります。
そのため、売却活動を始める段階から不動産会社に「引渡し猶予特約付き」の売却であることを明示してもらい、条件を理解したうえで検討してもらえる買主を探すことが重要です。
② 売買契約を締結し、残代金を決済する
売買契約を締結した後、契約で定めた日に残代金決済を行い、所有権移転の手続きを進めます。通常であれば、残代金決済・引渡しまでに引っ越しを完了しておく必要がありますが、引渡し猶予特約が付いている場合は、事前に取り決めた期間中に限り売主がそのまま住み続けることができます。
③ 売却代金で新居の残代金決済を行う
売却物件の残代金決済後、新たに購入する新居の残代金を支払います。契約で定めた条件に従って、新居の引渡しを受けます。
④ 新居へ引っ越しをする
売却物件から新しく購入した新居へ引っ越しを行います。
⑤ 売却物件を買主に引き渡す
新居への引っ越しが完了したら、売却物件を買主に引き渡します。これをもって引渡し猶予付きの買い替えが完了します。
次回後編では、引渡し猶予を利用する際の注意点と、売主・買主それぞれのリスクについて詳しく解説します。

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