店舗付き住宅の売却方法と注意点〜税金の特例も解説〜
目次
はじめに
こんにちは、エステートプランです!
住居部分と店舗部分が一体となった店舗付き住宅は、「住宅だけ」「店舗だけ」とどちらか一方を探している買主にとっては不要な部分が余分に感じられるため、一般的な住宅や店舗と比べて売却しづらい物件といえます。
しかし、適切な対策を講じることで売却は十分可能です。
今回は、店舗付き住宅の売却方法や税金の特例、売却時の注意点についてわかりやすく解説します。

店舗付き住宅が売却しづらい理由
買い手の需要が限られる
店舗付き住宅は住宅と店舗の両方を備えているため、どちらか一方のみを求める買主には需要が薄く、一般の住宅や店舗物件と比べて買い手が見つかりにくい傾向があります。売却までに時間がかかるケースも少なくありません。
住宅ローンが利用できない可能性がある
店舗付き住宅の売却をさらに難しくする要因が、住宅ローンの制約です。
住宅ローンは居住用物件への融資を前提としているため、店舗部分には原則として適用されません。
買主が購入資金を全額用意できない場合、店舗部分については事業用ローンを別途組む必要があります。
また、全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」を利用するには、住宅部分の床面積が店舗部分以上であることが条件の一つです。
住宅ローンが利用できない場合、買主は現金一括払い、または住宅ローン以外の融資に限定されるため、購入希望者の幅がさらに狭まります。
店舗付き住宅の売却方法
現状のまま居抜きで売る
店舗付き住宅の売却では、店舗の設備や什器(じゅうき)を残した状態で売り出す「居抜き売却」が一般的です。売主にとっては内装撤去や設備処分が不要であり、同業種の買主であれば初期投資を抑えて速やかに営業を開始できるメリットがあります。
一般住宅ではリフォームによって価値向上を図るケースが多いですが、店舗付き住宅の場合は現状のまま売り出すことで、買主が自由に改装できる余地が残り、結果として需要が高まりやすくなります。
価格交渉時には、買主が購入後に行うリフォーム費用を踏まえ、一定の値下げに応じるなど柔軟に対応することで、成約につながりやすくなります。
古家付き土地として売る
建物の築年数が古い場合や、店舗需要が見込みにくい立地の場合は、古家付き土地として売却する方法も有効です。購入後の解体を前提に、解体費用を加味した価格設定を行います。
土地として売却することで、中古住宅としての需要に加え、土地利用を目的とする買主にもアプローチでき、検討層の拡大が期待できます。
不動産会社に直接買い取ってもらう
早期売却を優先する場合は、不動産会社による直接買取が有効です。仲介と異なり、不動産会社が直接購入するため、現金化までの期間が短縮される点が大きなメリットです。
一方で、買取価格は市場価格を下回る傾向がありますが、物件条件によっては相場に近い価格となるケースもあるため、複数社に査定依頼を行い比較検討することが重要です。
不動産会社選びが売却成功のカギ
店舗付き住宅の売却においては、仲介・買取いずれの場合でも、不動産会社の選定が極めて重要です。査定内容の妥当性や説明の明確さ、売却戦略の提案力に加え、店舗付き住宅のような限られたニーズに対応できる営業力・販売ノウハウも重要な評価ポイントとなります。
また、周辺エリアの市場動向への理解や類似物件の販売実績も確認し、信頼性の高い不動産会社を選定しましょう。

売却時に活用したい税金の特例
居住用財産の3,000万円特別控除
マイホーム(居住用財産)を売却した場合、所有期間に関係なく、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例が利用できます。
譲渡所得は以下の式で算出されます。
譲渡所得 = 売却代金 −(取得費 + 譲渡費用)
店舗付き住宅も居住用財産に該当しますが、控除対象は居住部分に対応する譲渡所得に限られます。
※実務上は、売却代金だけでなく、取得費および譲渡費用についても居住部分と店舗部分に按分(あんぶん)して計算します。
居住部分の計算方法(概要)
【前提条件】
・売却金額:8,000万円(建物1,400万円/土地6,600万円)
・床面積:居住60㎡/店舗50㎡/併用10㎡
・敷地面積:居住80㎡/店舗60㎡/併用15㎡
【結論】
特例の対象になる金額は「約6,736万円」です。
(この金額に対して3,000万円控除が適用されます)
【計算の流れ】
① 建物のうち居住部分 → 約65.45㎡
② 土地のうち居住部分 → 約88.18㎡
③ 対象となる売却金額 → 約6,736万円
【計算式(参考)】
60 + 10 × 60 ÷(60+50)= 約65.45㎡
80 + 15 ×(65.45 ÷ 120)= 約88.18㎡
(1,400 × 0.6545)+(6,600 × 0.8818)= 約6,736万円
【最終的な課税イメージ】
課税対象 = 居住部分の譲渡所得 − 3,000万円
※取得費・譲渡費用も按分(あんぶん)して計算します
※なお、本特例の適用を受けるためには、売却翌年の3月15日までに確定申告が必要です。
売却時の注意点
居抜き売却では、設備や什器(じゅうき)(棚・テーブル・厨房機器など)を現状のまま引き渡すため、トラブル防止の観点から残置物一覧の明確化が重要です。
主な確認事項は以下のとおりです。
- 設備・什器の所有権の所在
- 購入時期および現況(不具合の有無)
- 動作確認の実施状況
- リース品の取り扱い(返却または承継)
特にリース契約物件については、リース会社との契約条件確認および買主との事前合意が不可欠です。
まとめ
店舗付き住宅は需要の限定性や住宅ローンの制約により、一般住宅と比較して売却難易度が高い不動産です。しかし、「居抜き売却」「古家付き土地」「直接買取」といった手法を適切に選択することで、売却可能性を高めることができます。
また、居住部分に限り3,000万円特別控除の適用が可能であるため、税務上は取得費・譲渡費用の按分を含めた正確な計算を行い、確定申告を確実に実施することが重要です。福岡市・北九州市エリアで店舗付き住宅の売却を検討されている場合は、実績のある不動産会社への相談を推奨します。

エステートプランでは、北九州・筑豊・京築・朝倉・福岡エリアでの不動産に関する無料相談を提供しています。売却、処分、住み替え、税金に関することなど、不動産に関するどんなご相談でもお気軽にご連絡ください。